副島弁護士の東金事件主任弁護人辞任に思う


http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010041501000945.html


少し前の記事だが、何があったのだろうと、未だに考えている。


実は、縁があって昨年秋に、副島洋明弁護士の講演を聴く機会があった。講演は、就労、親の老後、性の問題、知的障害者の関わる犯罪(被害者になるケース、加害者になるケースいずれも)など、多岐に渡ったが、非常に内容が濃く、考えさせられるものだった。知的障害を持つ被告の弁護を数多く手がけてきた方だけに、その言葉には迫力があった。いや、そんな生易しい言葉じゃたりない。鬼気迫るものがあった。


会場には、知的障害者の親だけでなく、養護学校の教諭も多かった。公演中、弁護士の話を遮り「そんなことはありません!」と声を上げる参加者もいた。その声を上げた参加者が、親なのか教師なのかは判らなかったけど、参加者からそんなヤジが出るほど、親や教師を叱咤する言葉が続いた。


講演後、煙草を吸っていたら、副島弁護士がやってきたので、個人的にお話させていただいた。娘の話をすると、「自閉症の娘さんはとても可愛いから、犯罪に巻き込まれやすいですよ。卒業後に入った施設で、性的虐待を受けた、なんて話はいっぱいある。被害者にしないよう、注意してください。守れるのは親だけなんだから」と仰った。講演で本当に厳しい言葉を参加者に投げかけていただけに、その裏側にある優しさを見た思いだった。


主任弁護人を辞任した理由が、単なる健康問題とかであれば(それでも良くないけど)いいのだが、弁護方針の問題とか、公にできない理由でなければよい、と思う。本当に障害者(知的障害者に限らず)側のスタンスに立って、弁護活動をされている方だと思うから。


現在、初公判のメドも立っていない東金事件だが、裁判を通じて一刻も早く真実が明らかになることを祈っている。