まだ慌てる時間じゃない
地元の新聞を見ていたら、意外に大きな扱いで、このニュースが掲載されていた。
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010042301000870.html
またか〜、という感じだ。
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20100424/p1
この記事でも指摘しているけど、これって、症例1件だけだよね。発表したのは金沢大だけど、
3歳から自閉症とされてきた20代男性で、会話ができず、人と交流ができずにいた。両親が2008年、スイスからオキシトシンの点鼻薬を輸入し服用すると、男性は診察で担当医の目を見て笑い「はい」「いいえ」と答えるようになり、担当医が驚いたという。
とあるように、実際に薬を投与し始めたのは、親御さんのようだし、きちんと学術的に裏付けられたものじゃないのは、一目瞭然。
前のエントリーでも書いたけど、これも、たまたま投与している期間に、自閉症のお子さんが「発達」や「成長」をした、ってレベルの話だと思う。
誤解を招かないように言っておくと、別に私は、娘の自閉症が治らなくてもいい、とか、自閉症は治らない、治療努力は無駄無駄無駄無駄無駄無駄〜、と言いたいわけじゃない。劇的な改善をもたらす治療方法や療育方法が一刻も早く見つかればいいと思ってる。
ただ、その過程で、患者やその家族に見当違いの期待を抱かせるようなアナウンスはすべきじゃない、と言いたいのだ。きちんとした治療のメソッドが確立され、効果の大小こそあれ、全ての自閉症の人に効果がある、ってことが確認されるまで、じっくり待ちたいと思うのだ。
まだ慌てる時間じゃない。
そういうことだと思う。